記事公開日
トレーディングカード印刷(トレカ印刷)とは?アニメ・イベント企画で差をつける活用術

近年、アニメ業界やイベント業界では、ファンエンゲージメントを高めるための新たな施策が求められています。
そのような中で注目を集めているのが、トレーディングカード(トレカ)の活用です。
オリジナルのトレーディングカードは、企画担当者様にとって強力なツールとなるでしょう。
この記事では、トレーディングカード印刷の基本から、アニメやイベント企画で差別化を図るための具体的な活用術、さらに発注時のポイントまで詳しくご紹介いたします。
トレーディングカード(トレカ)とは?
トレーディングカード、略してトレカとは、収集や交換(トレード)を目的としたカードのことです。
多くの場合、キャラクターや選手、乗り物などさまざまなジャンルの絵柄が印刷されており、特定の情報や能力が記載されていることもあります。
これらのカードは単に集めるだけでなく、ゲームとして遊ぶこともでき、幅広い世代に人気があります。
一般的なトレーディングカードのサイズと種類
トレーディングカードには、様々なサイズや種類があります。
一般的に多く見られるのは、約63mm×88mmの「レギュラーサイズ」と呼ばれるものです。
これは、多くのトレーディングカードゲームで採用されている標準的なサイズです。
種類としては、通常の紙に印刷された「レギュラーカード」の他に、特殊な加工が施されたカードがあります。
たとえば、光沢のある加工でキラキラと輝く「ホログラムカード」や、文字や絵柄が浮き上がる「エンボス加工」、金属のような光沢を放つ「箔押しカード」などがあります。
これらの特殊なカードは、レギュラーカードよりも希少価値が高く、コレクターからの人気を集めています。
なぜ今、トレーディングカード印刷(トレカ印刷)が注目されるのか?
近年、アニメ制作会社やイベント会社において、トレーディングカード印刷が注目されています。
その背景には、単なるグッズ販売を超えた、ファンエンゲージメントの向上やプロモーション効果の最大化といったメリットがあります。
ファンエンゲージメントを向上できるから
収集欲の刺激とコレクション性の高さ
トレーディングカードの最大の魅力の一つは、収集すること自体が楽しい点にあります。
シリーズ化されたカードを全て集めたいという収集欲がファンを強く惹きつけます。
また、コンプリートすることで得られる達成感や、コレクションが増えていく喜びは、ファンが作品やイベントに深く関わるきっかけとなります。
限定性・希少性による特別感の演出
特定のイベントでしか手に入らない限定カードや、ごく少量しか発行されないシークレットカードなどは、ファンにとって非常に価値のあるものとなります。
こうした限定性や希少性が、手に入れた時の特別感を演出し、ファン自身の優越感にもつながるため、より一層の熱狂を生み出す要因となります。
高いプロモーション効果が狙えるから
イベント来場者への特典
イベントの入場特典としてオリジナルデザインのトレーディングカードを配布することは、来場を促す強力なインセンティブになります。
また、イベント会場でしか手に入らない特別なカードを用意することで、その場での体験価値を高め、リピーターの獲得にも繋がるでしょう。
グッズ販売との連動
トレーディングカードは、ほかのグッズと連動させることで、さらに高いプロモーション効果を発揮します。
たとえば、特定のグッズを購入すると限定カードがもらえるキャンペーンを実施したり、トレーディングカード自体をブラインドパッケージで販売し、何が出るかわからない「くじ引き」のような要素で購買意欲を刺激することも可能です。
SNSでの拡散効果
SNSでの拡散効果 手に入れたお気に入りのトレーディングカードを、ファンがSNSに投稿することはよく見られます。美しいデザインのカードや、希少性の高いカードは特に注目を集めやすく、ハッシュタグと共に作品名やイベント名が拡散されることで、自然なかたちで認知度向上に貢献します。
デジタルコンテンツとの連携による相乗効果
QRコードやAR技術を活用した新しい体験
トレーディングカードにQRコードを印刷することで、特別なWebサイトへのアクセスを促したり、限定コンテンツを視聴できる仕組みを作ることもできます。
さらに、AR(拡張現実)技術を組み合わせれば、カードをスマートフォンで読み込むとキャラクターが動き出したり、特別なアニメーションが再生されるといった、デジタルとリアルが融合した新しい体験をファンに提供し、より強い印象を与えることが可能です。
トレーディングカードの印刷工程
トレーディングカードの印刷は、単に紙に絵柄を印刷するだけでなく、さまざまな専門的な工程を経て完成します。
ここでは、一般的なトレーディングカードの印刷工程を順を追って説明します。
企画・デザイン
まず、どのようなトレーディングカードを作成したいのか、その目的やターゲット層を明確にし、企画を立てます。
次に、カードの絵柄やレイアウト、テキストなどのデザインを制作します。
キャラクターのデザイン、カードのフレーム、テキストの配置など、細部にわたって工夫を凝らすことで、魅力的なカードが生まれます。
印刷方式(オフセット印刷、オンデマンド印刷など)決定
デザインが完成したら、いよいよ印刷です。
トレーディングカード印刷には、主に「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」の2つの方式があります。
オフセット印刷
大量印刷に向いており、高品質で色再現性に優れているのが特徴です。
写真やイラストを美しく表現したい場合に適しています。
版を作成するため、初期費用はかかりますが、枚数が多くなるほど一枚あたりのコストは抑えられます。
オンデマンド印刷
小ロット印刷や短納期に対応できるのが特徴です。
版を作成する必要がないため、初期費用を抑えられます。可変印刷も可能なので、一枚一枚異なるシリアルナンバーを振るなど、柔軟な対応ができます。
加工(表面加工、型抜きなど)
印刷後には、カードの耐久性や見た目を向上させるための様々な加工が施されます。
表面加工:カードの表面を保護し、光沢感やマット感を与える加工です。PP加工(ポリプロピレン加工)やUVニス加工などがあります。
型抜き
カードの形状を四角形だけでなく、特殊な形にくり抜く加工です。
キャラクターのシルエットに合わせた形や、パズルピースのような形など、デザインの幅を広げることができます。
特殊加工
前述したホログラム加工や箔押し加工もこの段階で行われます。
ほかにも、部分的に盛り上げるUV厚盛り加工など、さまざまな表現が可能です。
断裁・検品
加工が終わったカードは、指定されたサイズに正確に断裁されます。
梱包・納品
最終的な検品をクリアしたカードは、種類ごとに分けられ、決められた枚数でパック詰めされたり、箱に梱包されたりして、お客様のもとへ納品されます。
アニメ・イベント企画で差をつける!トレーディングカード印刷(トレカ印刷)の活用術
トレーディングカード印刷は、アニメ制作会社やイベント会社にとって、ファンとのつながりを深め、企画を成功させるための強力なツールとなります。
具体的な活用術を見ていきましょう。
アニメ作品のプロモーション戦略に
新しいアニメ作品の発表時や、既存作品の劇場版公開時などに、トレーディングカードをプロモーションに活用できます。
たとえば、映画の入場者特典として限定カードを配布したり、DVDやBlu-rayの初回限定版にオリジナルカードを封入することで、購買意欲を高めることができます。
人気キャラクターの描き下ろしイラストや、声優のサイン入りカードなど、ファンが喉から手が出るほど欲しくなるようなデザインにすることで、大きな話題を呼ぶでしょう。
イベント集客・満足度向上施策に
アニメやゲーム関連のイベント、キャラクターショー、音楽ライブなどにおいて、トレーディングカードは集客や来場者の満足度向上に貢献します。
イベント限定デザインのカードを入場特典として配布したり、会場内でしか手に入らないガチャガチャの景品として用意したりすることで、来場を促します。
また、複数のカードを集めることで完成するパノラマカードや、シークレットコードを入力すると限定コンテンツが視聴できるカードなど、イベント体験を豊かにする仕掛けも考えられます。
企業コラボレーション企画に
異業種とのコラボレーション企画においても、トレーディングカードは有効なツールです。
たとえば、食品メーカーとのタイアップで、商品にオリジナルカードを封入したり、飲料メーカーと組んでボトルキャップに付箋のように貼れるミニカードを付けたりなど、さまざまな形で連携が可能です。
これにより、ターゲット層の拡大や、普段リーチできない層へのアプローチが可能になり、企業イメージの向上や商品販売促進につながります。
トレーディングカード印刷(トレカ印刷)を成功させるためのポイントターゲット層の明確化とデザイン戦略
トレーディングカード印刷を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
これらを押さえることで、より効果的なトレーディングカードを制作できるでしょう。
ターゲット層の明確化とデザイン戦略
誰に届けたいカードなのか、ターゲット層を明確にすることが最も重要です。
子供向けであれば、カラフルで分かりやすいデザイン、大人向けであれば、イラストのクオリティやデザインの洗練さを重視するなど、ターゲットに合わせたデザイン戦略を立てる必要があります。
また、作品の世界観やイベントのテーマに沿ったデザインにすることで、より一層魅力的なカードになります。
予算と納期に合わせた最適な印刷会社選び
トレーディングカード印刷は専門的な技術を要するため、信頼できる印刷会社を選ぶことが重要です。
小ロット対応が可能か、特殊加工の実績は豊富か、納期は柔軟に対応してくれるかなど、自社の要望に合った会社を選びましょう。
複数の会社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
偽造防止対策とセキュリティ
人気のあるトレーディングカードは、偽造のターゲットとなることもあります。
特に限定品や高価なカードを制作する場合は、偽造防止対策を検討する必要があります。ホログラム加工や特殊なインクの使用、シリアルナンバーの付与など、偽造が困難な技術を導入することで、カードの真正性を保ち、ブランド価値を守ることができます。
また、制作段階におけるデータの管理や、完成品の輸送・保管におけるセキュリティも重要です。
著作権・肖像権への配慮
トレーディングカードにキャラクターのイラストや写真、声優の肖像などを利用する場合、必ず著作権や肖像権の許諾を得る必要があります。
無許可での使用は法的な問題に発展する可能性があるため、事前に権利関係を確認し、適切な手続きを踏むことが不可欠です。
まとめ
トレーディングカード印刷は、アニメ制作会社やイベント会社にとって、ファンエンゲージメントを高め、プロモーション効果を最大化するための非常に有効な手段です。
収集欲を刺激するコレクション性、限定性による特別感の演出、そしてイベントやグッズ販売、さらにはデジタルコンテンツとの連携による相乗効果は、企画の成功に大きく貢献するでしょう。
カードの企画・デザインから印刷、加工、そして納品に至るまで、各工程で専門的な知識と技術が求められます。
ターゲット層の明確化、適切な印刷会社の選定、偽造防止対策、そして著作権・肖像権への配慮といったポイントを押さえることで、魅力的なトレーディングカードを制作し、貴社の企画に大きな付加価値をもたらすことができます。
ぜひ、トレーディングカード印刷を活用し、競合との差別化を図り、新たな顧客体験を創出してください。