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型抜き加工とは?デザインの可能性を広げ販促効果を高める加工技術

「型抜き加工」とは、通常の四角い印刷物とは異なり自由な形にカットできる技術で、商品のパッケージや販促ツールに特別な魅力を与えることができます。
特に企業にとっては、競合との差別化を図り、顧客の心をつかむ強力な手段となり得ます。
この記事では、型抜き加工の基本的な知識から、その種類、メリット・デメリット、そして具体的な活用事例までをわかりやすくご紹介いたします。
型抜き加工とは?
型抜き加工とは、通常の四角形ではない、特殊な形状に印刷物を加工する技術です。
トムソン加工やダイカットとも呼ばれ、紙を型によって打ち抜くことで、さまざまな形を作り出します。
これにより、ただ情報を伝えるだけでなく、視覚的に強い印象を与えたり、手に取った時の感触で商品の魅力を高めたりと、ブランディングや販促において多角的な効果が期待できます。
型抜き加工のメリット
型抜き加工には、企業の販促活動やブランディングにおいて、多岐にわたるメリットがあります。
視覚的インパクトがあり、差別化を図れる
前述の通り、型抜き加工は視覚的に非常に強いインパクトを与えます。
たとえば、季節限定のイベント告知であれば、イベントのテーマに合わせた形状にすることで、受け取った人の興味を惹きつけ、内容を読み進めてもらいやすくなります。
競合他社の印刷物の中に埋もれることなく、顧客の記憶に残る存在となるでしょう。
ブランド体験を向上できる
商品パッケージの開封体験は、顧客の購買体験において重要な要素です。
型抜き加工を用いることで、パッケージを開けるのが楽しくなるような仕掛けを作ることができます。
たとえば、製品のシルエットに沿って型抜きされた箱は、中身への期待感を高め、顧客に特別な体験を提供します。これは、顧客ロイヤルティの向上にもつながります。
低コストでブランディングできる
大規模なブランドキャンペーンを展開することが難しい企業にとっても、型抜き加工は費用対効果の高いブランディング手法です。
名刺やパンフレット、商品タグといった比較的小さな印刷物でも、型抜き加工を施すことで、企業の個性やこだわりを効果的に表現できます。
これにより、限られた予算内でブランドイメージの向上を図ることが可能です。
SNSでシェアされやすい
現代において、SNSでの拡散力は企業のマーケティング活動に不可欠です。
型抜き加工されたユニークな形状の印刷物は、視覚的な面白さからSNS上で「映える」コンテンツとなりやすく、ユーザーによって自発的にシェアされる可能性が高まります。
これにより、口コミ効果が生まれ、ターゲット層外の潜在顧客にもリーチできる機会が広がります。
型抜き加工のデメリット
多くのメリットがある一方で、型抜き加工にはいくつかのデメリットも存在します。
これらを事前に理解し、適切に対処することで、より効果的な活用ができます。
納期がやや長くなる傾向がある
型抜き加工は、通常の印刷工程に加えて「型を作成する」「型で打ち抜く」という特別な工程が必要となります。
そのため、一般的な印刷物に比べて、製作に時間がかかる傾向があります。
特に複雑な形状の場合や、複数の加工を組み合わせる場合は、さらに納期に余裕を持つ必要があります。
急ぎの案件で型抜き加工を検討する際は、事前に十分な納期を確認し、計画的に進めることが重要です。
デザイン上の制約がある場合がある
型抜き加工は自由な形状を実現できますが、デザインによっては技術的な制約が生じる場合があります。
たとえば、あまりにも細かすぎるデザインや、紙の繊維に沿わない無理な形状は、型抜きが難しくなったり、仕上がりがきれいでなかったりする可能性があります。
また、抜きカスが発生しやすいデザインの場合、後処理の手間が増えることもあります。
デザインを考案する際は、事前に印刷会社や加工業者と綿密な打ち合わせを行い、実現可能性を確認することが重要です。
保管・配送に工夫が必要になる
型抜きされた印刷物は、通常の四角い印刷物に比べて、かさばったり、破損しやすかったりする場合があります。
特に複雑な形状や薄い紙の場合、重ねて保管する際に形が崩れたり、配送中に角が折れたりするリスクがあります。
そのため、保管方法や梱包方法に工夫が必要となる場合があります。
専用の箱を用意したり、緩衝材を使用したりするなど、配送時のダメージを防ぐ対策を講じることで、顧客の手元に最高の状態で届けることができます。
型抜き加工の活用アイデア
型抜き加工は、アイデア次第で様々な用途に活用できます。
ここでは、企業がすぐに実践できる具体的な活用アイデアをご紹介します。
商品のパッケージにオリジナリティを出す
商品のパッケージは、消費者が最初に目にする部分であり、購買意欲に大きく影響します。
たとえば、食品であれば商品の形に合わせたパッケージ、化粧品であればブランドのイメージカラーと連動した独創的なパッケージにすることで、店頭での視認性を高め、競合商品との差別化を図ることが可能です。
これにより、商品の魅力を最大限に引き出し、消費者の心をつかむことができます。
印象に残るダイレクトメールとして
ダイレクトメール(DM)は、顧客との接点を作る重要なツールです。
通常のハガキや封筒では埋もれてしまいがちですが、型抜き加工を施すことで、開封率や反応率を高めることができます。
たとえば、イベントの告知DMであれば、イベントのロゴマークの形に型抜きしたり、クーポン付きDMであれば、クーポン部分だけをミシン目で切り取れるようにしたりすることで、受け取った人の興味を引き、行動を促すことが可能です。
店舗のPOPやサインツールとして
店舗のPOPやサインツールは、顧客の購買行動を後押しする重要な役割を担っています。
商品やサービスのコンセプトを表現したユニークな形状のPOPは、顧客の目を引き、商品を手に取ってもらうきっかけを作ります。
たとえば、カフェであればコーヒー豆の形をしたメニュー表、アパレルショップであればTシャツの形をしたセール告知POPなど、創造的なデザインを取り入れることで、店舗全体の雰囲気を高め、顧客体験を向上させることができます。
年賀状・挨拶状でアピールする
年賀状や挨拶状は、顧客や取引先との関係性を深める大切なコミュニケーションツールです。
ビジネス用途で送る年賀状であれば、自社のロゴマークや主力商品の形に型抜きすることで、強い印象を与え、受け取った人に自社を思い出してもらうきっかけになります。
これにより、日頃の感謝を伝えるだけでなく、さりげなく自社のブランディングを行うことができます。
展示会やイベントで目を引くノベルティとして
展示会やイベントでは、多くの企業が出展する中で、いかに自社に興味を持ってもらうかが成功の鍵となります。
型抜き加工を用いたノベルティは、来場者の注目を集め、記憶に残る効果が期待できます。
たとえば、自社のサービスを象徴するキャラクターの形をしたしおりや、製品のミニチュアを型抜きしたメモ帳などは、受け取った人に喜ばれるだけでなく、持ち帰って使ってもらうことで、継続的なプロモーション効果を発揮します。
まとめ
型抜き加工は、単なるデザインの装飾に留まらず、企業の販促活動やブランディングにおいて、非常に強力なツールとなります。
視覚的なインパクトで差別化を図り、顧客のブランド体験を向上させ、低コストで効果的なブランディングを可能にします。
また、SNSでの拡散を通じて、新たな顧客層へのリーチも期待できます。
確かに、納期やデザイン上の制約、保管・配送の工夫といったデメリットも存在しますが、これらは事前に計画を立て、印刷会社と密に連携することで十分に克服可能です。
皆様が型抜き印刷を上手に活用することで、既存の印刷物の可能性を広げ、顧客の心をつかみ、ひいてはビジネスの成長を加速させる一助となるでしょう。
ぜひ、貴社の製品やサービスの魅力を最大限に引き出すために、型抜き加工の導入を検討してみてはいかがでしょうか。